学校復帰および再登校イメージ

不登校からの「学校復帰」~自然な再登校のために~

お子さんが、不登校状態だとお父さんお母さんもとても悩んでしまいますよね。

「子どももつらいようだけど、わたしも参ってしまいそう」
「子どものことを思うと、職場でもため息が出てしまう」
・・・お父さんお母さんも日々、ご自身の揺れる気持ちを抱えて大変な状況だと思います。

そんなとき、お子さんが、

「明日、学校に行こうと思う」
「今日、学校に行ってみようかな」

と「学校復帰」の意思をお父さんお母さんに伝えてきたら・・・

お父さん、お母さん、どう答えてあげますか。

「学校復帰はうれしいはずなのに、正直驚いてしまう」
「『良かった!』というのが本音だけど、それを言ったらプレッシャーになるかも」
「『無理しなくていいんだよ』と言って、ホントに行くのをやめてしまったら困るかも」

・・・こんなふうに、お子さんのことを思うあまり、頭の中がごちゃごちゃになってしまうお父さんお母さんもたくさんいらっしゃると思います。

不登校のお子さんの「学校に行こうかな」
・・・待ち望んでいた言葉のはずなのに、悩んでしまいますね。

不登校状態のお子さんが、急に学校復帰の意思を示したときは、どのように対処するのがよいでしょうか。

学校復帰発言への対処法

不登校状態のお子さんの急な「学校復帰発言」については、お子さんの言い方やしぐさ、また学校復帰発言が出た経緯を考えて、応答してあげると良いでしょう。

 

不登校のお子さんが、お父さんお母さんの顔色をうかがいながら学校復帰発言をした場合

不登校のお子さんが、お父さんお母さんに心配をかけないために、
まだ本人も何も心の準備が出来ていないのに「学校へ行こうかな」と言い出すことがあります。

このケースは、真面目で優しい子に多いです。
また、親にとっても「良い子」で、不登校になるまでずっと手のかからず、成績も良かった子や、
責任感が強く、プライドが高い子、
神経質で不安感を抱きやすい子などにも、このケースがしばしば当てはまります。

そんなお子さんが、
どうも本心ではまだ学校復帰したくなさそうなのだけれども「学校に行こうかな」と言い出したときは、
お父さんお母さんは「無理しなくていいんだよ」と言ってあげるのが良いでしょう。

また、お子さんの様子を見て、安心させてあげる言葉も言ってあげると良いかもしれません。

「学校復帰しないと、お父さんやお母さんにどう思われるか心配なの? 大丈夫だよ」
「本当は『まだ行きたくない』『学校はつらい』と思っていない? 何でも言ってごらん」
「あなたのペースでいいんだよ。お父さんもお母さんも見守っているから」

・・・などの声がけで、安心させてあげることによって、結果的にお子さんにとって学校復帰につながるケースもあります。

不登校のお子さんは、安心したがっています。
「何かあっても親に何でも言える」と思えること、
そして自分の家が安心できる場所であること(心理的な「安全基地」になること)が、学校復帰に結びつきます。

不登校のお子さんが、なんとなく上目遣いに、自信がなさそうに「学校へ行こうかな」と言い出した場合も、
お父さんお母さんの顔色をうかがっている可能性があります。
よく様子を見てあげてください。

 

不登校のお子さんが、学校復帰を「話があるんだけど」と切り出してきた場合

不登校のお子さんが、「お父さん、お母さん、話がある」と改まった感じで切り出し、
「明日から学校へ行こうと思ってる」と言い出した場合は、どうするのが良いでしょうか。

このケースは、ひとりで思い悩む男の子に多いです。
自分のことをあまり人にしゃべらない子(話したいけど話さずにかっこつけていたい子)や、
スポーツマン、体育会系の子にもよく見られます。
有言実行したいという願望がある子、または自分の弱い部分を認めたくない子にも当てはまります。

そんなお子さんが、お父さんお母さんに、改まった感じで「学校へ行こうと思う」と「学校復帰宣言」してきたときは、
その思いは受け止め、行動については柔軟にしてあげると良いでしょう。

例えば、次のような応答だと、お子さんは気が楽になって学校へ行きやすくなるでしょう。

「そっか、でも気負わなくていいんだよ。とりあえず、明日の登校の準備だけしておこうか」
「勇気出して言ってくれたね。でも、行けなくてもいいからね」
「自分ひとりでよく考えたね。無理しないでね。最初から教室じゃなくたっていいから。保健室や相談室でも」

・・・など、お子さんが気負っていれば気負っているほど、逃げ道を作ってあげてください。
そのほうが、ヘンにプレッシャーを与えずに済み、ナチュラルな学校復帰につながる可能性が高いです。

 

不登校のお子さんが、テレビなどを観ながら不意に「学校へ行く」と言い出した場合

夜、ごはんを食べた後に、いっしょにテレビを観ていて、ふと、不登校状態のお子さんが「学校へ行ってみようかな」とつぶやくように言うことがあります。

このケースは、不登校について、気持ちがだいぶ整理された子に多いです。
または、不登校や学校復帰・教室復帰についてあまり深く重くは考えていない子や、
不登校期間がさほど長くない子にも当てはまることがあります。

そんなお子さんが、ラフな感じで「学校へ行ってみよっかな」と言い出したときは、
さらりと、肯定あるいは奨励してあげると良いと思います。

「うん、いいかもね」「そっか、お弁当作っとこっか」等と、言ってあげると良いでしょう。

そのとき、お子さんの「学校に行ってみようかな」というトーンと合わせてあげると良いでしょう。
お子さんがすごく軽い感じで「学校行こっかなー」と言ったのだったら、「うんー、いいんじゃない」とやはり軽い感じで言ってあげましょう。

お子さんがぼそっと「明日、学校行ってみようと思う」とつぶやいたのなら、同じくつぶやくように、「そっか、いいと思うよ」という感じで、対応してみると良いと思います。

そしてその後は、お子さんが何か言ってくるまで学校復帰のことには触れないでいてあげましょう。

お子さんの声や口調に合わせることで、ふと湧いたお子さんの勇気に水をさすことがなくなります。
声や口調を合わせると、お子さんのペースを乱さずに済むのです。
お子さんのペースを尊重することで、お子さんの負担にならずに自然な学校復帰につながる可能性が高いです。

 

不登校のお子さんが、朝、着替えを済ませてから学校復帰発言をした場合

朝、いつもはパジャマのまま朝ごはんを食べていた不登校のお子さんが、急に、制服に着替えて「おはよう。今日、学校へ行くね」と言ってくることがあります。

このケースは、学校復帰に対して迷いがあっても「今日は行く」と決めた子に多いです。
また、制服を着ることで学校復帰に勢いをつけようとしていることが多いです。

ある程度自尊心がある子や、
学校に信頼できる友だちが複数いる子、
保健室や相談室とすでにつながりがある子などが、このケースに当てはまります。

このようなお子さんが朝、もう制服に着替えて「学校に行ってくるね」と言った場合は、
安心させてあげつつも、完全に背中を押してあげましょう。

「無理しなくていいよ」とか「大丈夫?」などはあえて言う必要はありません。
『今日は行くと決めた』・・・お子さんの勇気を尊敬し、そっと後押ししてあげましょう。

具体的には、「行ってらっしゃい」と言いながら制服のネクタイを軽く整えてあげるとか、
「わかった、気をつけてね」と言いながら軽く頭をなでてあげるなどです。

軽いスキンシップをすることで、お子さんはものすごく安心するはずです。
学校に行くと決めても、心の中は不安でいっぱいなはずですから・・・

抱きしめるなどのスキンシップや言葉数の多い声がけは、
お子さんにとっては依存心の刺激になったり不安を喚起したりする可能性があります。

軽く触れてあげて、「行ってらっしゃい」「気をつけてね」といった、普通に登校していたときにかけていた簡単な言葉をかけてあげると良いでしょう。

 

 

えむ心理研究室では、プロ家庭教師の学習支援や臨床心理士のカウンセリングを通して、さまざまな悩みを抱えるお子さんと、そのお父さんお母さんのお手伝いをしております。

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登校刺激イメージ画像

登校刺激はしたほうがいい?しないほうがいい?



不登校状態のお子さんを持つ親御さんにとって、登校刺激はとても重要なテーマになっていることと思います。


「子どもに学校のことを話しかけるのはいつにしたらいいんだろう」
「一度、『学校に行ったら』と言ったら拒絶され、以降話し合いたくても話し合えていない・・・」
「むやみに登校刺激してはいけないとわかっているけれど、同級生が学校に行っている日中に家でのほほんと過ごしている姿を見ているといらいらしてしまう・・・」


不登校状態のお子さんをもつお父さんお母さんにとって、
登校刺激に関する悩みは非常に深い悩みになっています。


登校刺激をしたほうが良いかしないほうが良いかについては専門家によって意見が違います。
迷ってしまいますよね。


ある専門家は、「登校刺激はしないほうが良い」と言い、
別の専門家は、「どんどん登校刺激していったほうが良い」と言っています。


えむ心理研究室では、
これまでの不登校の生徒さんとのかかわりや、
不登校に関するケース報告・論文などを分析しています。


分析の結果、
「不登校状態になってからの期間」と
「お子さんの性格」によって
登校刺激を使い分けたほうが良さそうだという結論にたどりつきました。


結局はケースバイケースということになってしまって申し訳ないのですが、
できるだけ詳しくわかりやすくご説明していきたいと思います。


今回は「不登校状態になってからの期間」による登校刺激の使い分けについて
考えていきます。



 

学校を休み始めて間もない、不登校状態1~2週間程度のお子さんへの登校刺激



学校を休み始めてから1~2週間ならば
もし教室に復帰するとしても
「ちょっとひどい風邪ひいちゃった」
とか
「熱がなかなか引かなくて」
など、
同級生への言い訳もしやすいですよね。


ですから、
まだ休み始めて1~2週間以内で、
不登校の理由がはっきりしていて、
不登校の理由が学校を休み続けるに値しない、と思われた場合は
出来るだけ登校刺激をしたほうが良いと思います。


「学校を休み続けるに値しない、不登校の理由」とは・・・
例えば、
「友だちからのちょっとしたいやがらせ」とか、
「友だちとの意思の疎通の問題によるすれ違い」とか、
「学校の先生に叱られて嫌な思いをしたから」など、
誰もが経験するような「ちょっとした嫌なこと」です。


「学校を休み続けるに値しない」と判断するためには、
しっかり話を聴くことが大切です。


お父さんお母さんがお子さんの話を根気良く聴いているうちに、
お子さん自身が
「なんか、いいや。明日から学校行く」
とすっきりすることも多々あります。


お子さんが元気そうにしていても、追い詰めるような登校刺激は禁物です。
「元気なら学校行きなさいよ!」
ではなく、
「学校、行ってごらん。もし嫌なことがあっても、帰ってきてからちゃんと話聴くから」
など、そっと促し、かつしっかりとあなたを受け止めるよ、という意思表示を登校刺激の中に込めましょう。



 

不登校状態になってから1ヶ月以上1年未満のお子さんへの登校刺激



不登校状態になってから1ヶ月以上たつと、
お子さんは、学校を休むことができてホッとしている反面、
学校に行っていないことによる劣等感にさいなまれます。


お子さんの中で「学校に行かなきゃ」という気持ちと「学校を休みたい」という気持ちが戦っている状態です。
そして、昼間はいつも学校のことを考えているお子さんが多いです。


ですからこの時期は、
同級生と比べるような登校刺激は禁物です。


同級生が遊びに来てくれた場合を除き、同級生を引き合いに出すのもできれば避けたほうが良いかと思います。
「同じクラスの○○ちゃんのお母さんと会ったよ」
とか
「近所の△△君が、期末テスト難しかったって言ってたよ」
などの話題を出すと、
お子さんの劣等感が不必要に増してしまうかもしれません。


不登校状態になってから1ヶ月以上半年未満のお子さんへ登校刺激をするとしたら、
お子さんに共感した上で、お父さんお母さんの本音を伝えてあげるのが良いかと思います。


「学校を休んでいると安心するんだね。でも、これからどうしよっか。お母さん、ちょっと心配だよ」
とか、
「学校に行ってるときには見せなかった笑顔が見られてうれしいよ。でもお父さんもキミのことが心配だから、少しずつ今後のこと考えていこうか」
など、
共感→登校刺激(将来刺激)、といったふうに伝えてみるのが良いと思います。


学校のことを話し合うとき、
「お父さん・お母さん・お子さん」の3人で家族会議のようにするよりは、
お父さんとお子さんが対話したあとにお母さんとお子さんでお話する、というように、
1対1で話すことをオススメします。


お父さんお母さんふたりから同時に登校刺激されると、
お子さんとしてはアウェー感が高まるためです。


お父さんお母さんとしても、
お子さんとの話し合いが気まずくなったときに、
お父さん・お母さん・お子さんの3人での話し合いのほうがラクだと思います。
すぐに片方(お父さんorお母さん)に話を振ることができるからです。


でもお父さんとお母さんが「ねぇ、お父さん」「なぁ、お母さん」と同調し合えばし合うほど、
お子さんにとって焦りと疎外感が生まれます。


お子さんも、自分の中の「学校に行かなきゃ」という気持ちと「学校を休みたい」という気持ちの葛藤で、必死にがんばっている状況です。
ぜひタイマンで、話し合っていただきたいと思います。


そうすると「すぐに学校へ行く」という結論にはならないかもしれませんが、
確実にお子さんにとっては、将来を考えるきっかけが生まれます。


出来るだけ希望のある登校刺激・将来刺激をしてください。


「このままじゃダメだよ」とか「学校に行かなくてどうするの」といった、
救いようのないダメ出しはしないであげてください。


将来なりたいものや、学校へ行かない場合の選択肢について、
いっしょに考えていってあげてください。



 

不登校状態になってから1年以上のお子さんへの登校刺激



不登校状態になってから1年以上たつお子さんへの登校刺激について考えてみましょう。


もし、
お子さんが今後についてどう考えているか不明な場合や、
学校や相談機関との連携が取れていない場合は、
「登校刺激」というよりは「専門家刺激」をすると良いと思います。


1年以上、家族以外の誰とも会わないような生活になっている場合は、
専門家のところに連れていくべきです。


長期のひきこもり状態に発展させないためです。
長くひきこもればひきこもるほど、社会復帰が困難になります。


特に、
生活が不規則になっていたり、
家族ともあまり口をきかなかったりする場合は、
心療内科やメンタルクリニックで診断を受けておくと安心です。


「学校はさておき、あなたのことが心配だからちょっと病院へ行ってこようよ」
とか、
「お父さんとお母さんだけで、専門家に相談に行ってみたよ。もっと話し合いをしていこう」
など、
親御さんは積極的に、「いっしょに解決していこう」という態度を見せましょう。
決して、お子さんに対して、腫れ物に触るような扱いをしないことです。


また、「病院へ行ってきな」とか「学校の相談室を利用しなよ」など、
お子さんの自主性に頼る発言は、
この時期のお子さんには逆効果になる可能性が高いと思います。


「行けるものならとっくに行ってる」というのが、お子さんの本音です。


長期に不登校状態になっているお子さんの場合、
どれだけお子さんが反抗的な態度や無関心な態度をとっていたとしても、
それはお父さんお母さんへの依存です。


専門家の意見を取り入れながら、
親離れ子離れする方策を見つけていきましょう。



 

まとめますと、基本的には登校刺激は「してもいいししなくてもいい」となります。
親御さんが
「学校に行かせなくちゃ」
とか
「学校のことを話さなくちゃ」
と思うのではなく、
「今、お子さんにとって何が一番大切なテーマか?」
を考えてあげてください。


とはいえ、
そのテーマが見えずに、迷っておられる親御さんも大勢いらっしゃいます。


ご夫婦だけで抱えこまずに、ぜひ一度ご相談ください。
いっしょに考えさせていただきます。



 

 

えむ心理研究室では、プロ家庭教師の学習支援や臨床心理士のカウンセリングを通して、さまざまな悩みを抱えるお子さんと、そのお父さんお母さんのお手伝いをしております。


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